品種開発雑感記
米が養生食にならんか 薬米草畦黄花 やくまいそうあぜきはな
当農場に於きまして開発生産されております「生命米元氣」と名づけました品種をたくさんの方々が食べておられます。白米として、玄米食として、分搗き玄米食として食べておられる消費者のお話がとても興味深いのです。
様々な米についての感想や健康への思いをお聞きしております、歩くのが楽しいとか風邪をずっとひいていないなど単純なことなのですが、お年寄りの方々の話されている内容に私も強い関心を持って聞いております。特別に体のどこがというのではなく「体調のよさ」が強調されています。米を食べて健康良好が続くということはとても楽しいことですし当然のことなのですが、現代の米のおかれている立場はとても厳しいものです。蔓延しております成人病の元凶のような扱い方をされてしまうことすらあります。
多種多様な食料が氾濫しそれが病気の発生源となっていることもあるわけです、食の豊かさが病の原因とはまことに皮肉なことですが。
たくさんの人々が成人病と認定されているわけですが状態を改善するために食事で米を食べない方法もあると聞いております、何か不思議でならないのです。ご飯を食べて成人病になったのか、ご飯以外の食べ物や不摂生が原因なのか、医学のことは知りませんのですが、米の持つ成分で治療に役立つ成分はないのでしょうか。
ご飯を腹いっぱい食べて病気になるでは少し合点がいかないのです。米は薬草であると見て米を食べることが養生の基本であるとの考えにたって食事の内容や食べ方を考えてみてはと思うのです。
米の品種に関しましても同類の品種間人工交配が続いておりますが成分内容に弊害が出てこないのか、人の知恵はまことに浅いものです深い熟考を必要とするのではないでしょうか。近親同士の交配は劣化を招きかねません。おいしい、おいしいと夢中になっているその様はちょうど飛行機の片肺飛行のようです。おいしいの他に何か忘れていませんか。
自然任せで発生した品種が健康に有効な成分が、かくれていたような成分が表に出ているのではないかと淡い期待しているところです。自然の描く設計図から生まれた稲がどのような特性を持っているのか、その現れを知ることができるか、時間をかけた深い観察が必要であろうと思います。
自然が生み出す新品種
当農場におきまし平成26年までに未公開を含め11種の変異稲を発見しております、今後も変異株の発生は続くと思われます。私の農場で稲の品種交配やその育成の知識や経験を持つものは一人もおりませんが稲作りを続けてきた農民であれば簡単にして明快にそれと判る状態で発生しております。生産性不適合種や食味不合格種などありましてその中より数種類を選び生産販売と品種登録を行う予定であります。
突然変異した新品種に自然の営みの奥深さ強く感じます。人知による品種交配はたくさんの利点もあり現代社会において必要であり更なる進化を求められる技術と思います。又それとは別に自然の知恵から生み出される新しい内容を含んだ品種も重要な役目を果たすのではないかと考えるところであります。 人間が健康に生きて行くためには命を支えている日々の食事です、日本では長く米が主食であります、消費量は減っておりますが今後も主食であり続けると思います。
奥深い所に眠ってしまっている健康に役立DNAが必ずや表舞台に立つことを楽しみにしております。自然の表す深い植物の交わりに感激です。
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